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【fasme presents ザ・プロフェッショナル第2回】環境のせいにするのは、最後。

女性のキャリアや生き方についてゲストに語っていただく「fasme presents ザ・プロフェッショナル」。

第2回目のゲストは、独自の真空特許技術で社会課題の解決を目指す株式会社インターホールディングスの代表取締役社長、成井五久実さんです。  

第一回に引き続き、インタビュアーはfasme編集部の富井真歩です。

 

成井さんは20代で起業、事業売却を経験。現在は、自社の真空特許技術を世界に広めようとしています。

パワフルな行動をし続ける成井さんに、キャリアとプライベートを両立するための考え方や夢を叶える方法など、赤裸々に語っていただきました。  

(取材:富井真歩 執筆:小川真里奈 撮影:小林一真)

 

*第二回ゲスト

株式会社インターホールディングス代表取締役社長 成井五久実様

東京女子大学卒業後、DeNAに新卒入社。その後トレンダーズにてPR・マーケティングを担当した後、28歳でJIONを設立。設立1年でベクトルに事業売却しベクトルグループ傘下のスマートメディア社長を務める傍ら、2022年6月よりインターホールディングスの代表取締役に就任。女性起業家を支援する活動にも従事。

「世界を変えられるかも」とワクワクしました

※インタビュアー :  株式会社ホットリンク富井真歩

富井 : まず、成井さんの担当業務を教えてください。

成井:私は、独自の真空特許技術を使って社会課題を解決する事業をしています。

2022年11月、ハジー技研の萩原忠先生から技術を買い取らせていただき、ビジネスをスタートさせました。(参考

 

富井 : 真空技術とは、どのようなものでしょうか?

成井:簡単に言えば、食品の賞味期限を伸ばすことができる技術です。

何の変哲もない真空パックに見えますが、酸素の逆流を防ぐ4個のパーツで逆止弁ができています。

これによって、食品が一番劣化する原因である「酸化」を防ぐことができます。例えば新米をパッケージすれば、半年経ってもお米の水分量を“新米のまま”保持することができます。

 

富井 : なるほど! ほかにはどんな場面で活用できるのでしょうか。

成井:はい。今力を入れているのは、日本酒ですね。

お酒は酸化に弱くてすぐ味が落ちてしまうのですが、真空パックのボトルなら鮮度を保てるので、味を落とさずに保存することができるんです。

あと、お酒の一升瓶は日本で不足していたり、海外への輸送中に割れてしまったりという課題があるんですよ。

政府も日本酒の海外輸出には力を入れていきたいので、その解決策として酒蔵さんに提案しています。

 

富井 : 海外展開も視野に入れてらっしゃるんですね。

成井:そうですね。長期保存ができて専用の機械がいらないので、コールドチェーンが発達していないアフリカや東南アジアのような地域に貢献できるのではないかなと。

作りはシンプルですが、世界にインパクトを与えられないかと模索しています。

 

富井 : 成井さんは、元々オウンドメディア運営を中心とした事業展開をされていたと伺っています。どのような経緯で、インターホールディングスに参画されたのでしょうか?

成井:私は新卒でDeNAに入社し、トレンダーズを経て28歳でJIONというオウンドメディアの会社を起業、1年後に事業売却しました。

それからベクトルの子会社であるスマートメディアの社長を任されたのですが、仕事をするうちにどうしても南場智子さん(DeNA創業者、代表取締役会長)のような存在を目指したくなったんです。

 

当時のスマートメディアの売上は10億円、営業利益も1億円ほど。さらに会社を大きくしていく選択肢もありましたが、彼女を目指すなら2~3,000億円規模のビジネスに挑戦しなくてはならない。

だったら「国内に留まらず、コアな技術で世界を目指せる市場に挑戦したい」と思ったんです。

 

富井 :  技術を開発された萩原先生とは、どのようにして出会われたのですか。

成井:萩原先生が弊社の取締役、中村卓と20年来のお付き合いがあったことがきっかけですね。

そのときのメンバーはIT企業で事業開発をしていた人たちだったので、「これはすごい」「社会問題をテクノロジーで解決できる」と盛り上がったんです。

 

富井 :  最初にこの技術を知ったとき、直感的に「来る!」と思われたのでしょうか。

成井:そうですね。「世界を変えられるかもしれない」とワクワクしました。

日本では、技術力があっても社会実装に結びつかず、埋もれてしまうケースが多いと思っています。

「マーケティングやPRが得意な私が、製品の認知を増やせば売れていくのではないか」「営業が得意なメンバーが巨大企業に売り込めば、導入が進むのではないか」。

社会に埋もれそうな素晴らしい技術を、私たちの手で広められるかもしれないと思いました。

力を出し切らないうちに判断するのは、よくない

富井 :  メディアを売ることと、物を売ることに違いはありますか?

成井:全然違いますね。メディアは記事を書いたら次の日にはお金になる可能性がありますが、有形商材は製造して、在庫から出して、売る必要があります。

社会に出すまでのタイムラグがあり、1~2日で売上は立たない。メディアとは大きく違うなと思いました。

 

富井 : 成井さんは環境を大きく変えていかれていますが、新しい環境に飛び込むことに難しさを感じている方は沢山いらっしゃいますよね。

成井:そうですね。でも、やっぱりある程度のリスクを取らないと大きい成功もないと思います。茨の道かもしれないけれど、未開の地に身を置きたいですね。

 

富井 : 新しく挑戦をするにあたって、どのような軸で判断をされていましたか。というのも、今一人一人の働き方が多様化しているので、選択肢が多くて悩みがちといいますか。

成井:そうですよね。私のところにも質問が来ます。新卒入社を経験しないままフリーランスになる人もいますし。 

自分の強みが社会に対して活きているか、その実感を持てるかじゃないかなと思って。

私も過去、なかなか社内評価が上がらず「強みを活かせていない感覚」を持ったことがあります。

本気で頑張っているのに、評価されていない、楽しいことができていない。こういう状態は自分はもちろん会社にとってもよくないので、環境を変えるべきかなと思います。

 

富井 : ジョブチェンジしてみたにもかかわらず、まだモヤモヤし続けている……そんな方も多いような気がします。成井さんはどのようにご自身を見つめ直していますか。

成井:自分の力を出し切らないまま判断するのはよくないですよね。特に近年は、頑張り切る前に判断してしまう人も多いと感じています。

現実問題、楽しいところばかりに身を置けるわけはありません。

環境のせいにするのではなく、まずは目標や課題に真剣に向き合う。そのうえで結果が残せなかったり、認めて貰えなかったりするなら、初めて環境を変えることを検討するといいと思います。

 

富井 : まずは今ある環境でどう立ち振る舞うか考え、それでもうまく行かなかったら「もしかしたら、環境が悪いのかも」と考えるということですか。

成井:そうですね、環境のせいにするのは最後です。仕事は本来、楽しいものだと思っていて。

人間は社会的な生き物なので、自分の強みを社会に受け入れてもらえる状態は幸せなはず。それが自己実現だと思います。

それが頑張っていても実感できないなら、違うところに行くサインかなと。

挑戦の大きさに比例して、プライベートも充実します

富井 : プライベート面でも、20代後半くらいからInstagramで結婚報告とか流れてきますよね。人生がうまく行っている指標の1つに感じられるというか。

成井:まだそんな風潮あるんですか!?(笑)。

 

富井 : ありますね……。仕事は頑張りたいけれど、プライベートの幸せも手に入れたい。両方ほしい。成井さんは、プライベートをどのように設計していましたか?

成井:両方ほしいですよね。私は母が34歳のときに産まれたので、32,3歳までは仕事を頑張ると決めていました。

夫と初めて会ったとき、私の挑戦をすごく面白がってリスペクトしてくれたんです。そこから付き合って5ヵ月で結婚しました。

これは持論なのですが、仕事を頑張った分だけ魅力的な人に出会えると思うんですよ

 

富井 : 面白いです(笑)。

成井:自分のスタイルを貫くかどうかで、パートナー選びも変わってくると思います。

自分の挑戦が大きくなっていくほどスペシャルな出会いが待っている気がしますね。

私が夫と出会えたのは、会社を作って売却するという大きな挑戦をしたから。最高のパートナーに出会えたと思っています。

富井 :よく「キャリアとプライベートの両立」と言いますが、別々のものとして考えると、両方頑張らなきゃいけない気持ちになる方もいらっしゃいますよね。

成井:そうですね。個人的には分ける必要はないと思います。

「両方頑張ったらいい」というより、プライベートを頑張った先に仕事があって、仕事を頑張った先にプライベートもある感じ。

分けられるものではなく、両輪の関係でどんどん加速して大きくなるイメージです。

でも、これは本当に人それぞれですよね。正解はないというか。

 

井 : 1つ気になったのが、成井さんにプライベートの時間はあるのでしょうか。多くの仕事をこなされているので、普段どのように過ごされているのか気になります。

成井:最近も「朝起きて、何時から仕事されていますか」と聞かれたのですが、起きた瞬間からですね。

会社に身を置くのは朝10時だとしても「今日はこの人にあれを伝えよう」「今日はこれをやろう」みたいなことは考えているので、その時点から仕事だなと思っています。

そういう意味で言えば、あまり垣根はないかな。

 

富井 : たしかに、仕事を工夫しながら楽しめていれば、プライベートと仕事の垣根は無くなるかもしれませんね。

私はSNSマーケティングをしていますが、SNSが好きだから日常的に見ているしアイデアも湧くので、すごく合っているなと思います。

成井:たぶん合ってますよ。プライベートと仕事が切り離される状態は「今の仕事が合っていないかも」と疑う判断材料の一つになる気がします。

仕事やプライベートの延長に“好き”があるのではなく、“好き”の延長に仕事もプライベートもあるべき。

なので好きな仕事に就けているかどうかは、探求してもいいと思う。

 

富井 : 私もここ数か月「今のままで大丈夫かな……」と不安だったのですが、立ち止まって考えてみると、そんなに悩むことじゃないのかも。

成井:冷静に考える時間を作るのは、とてもいい習慣だと思います。

将来なりたい自分、やりたいこと、叶えたいこと。1年単位で目標にして、そこまで自分を持って行く方法を逆算思考で考えていくべきだと思います。

目標は変えてもいいんですよ。もし変えるなら、そのときは「やらないこと」をしっかり決めること。

 

富井 : なるほど、たしかにそうですね。

成井:「あれをまだやってないな」と考える状態を続けていると、自身の生産性、つまりはエネルギーをものすごく下げるんですね。目標は定期的にふり返って、次の3つで考えるとよいと思います。

 

1つ目は、行動を続ける。

2つ目は、「あれをやってない」と考え続ける期間を仕切り直す。

3つ目は、「もうやらない」と決める。

 

このように決めておけば、ストレスも減るんじゃないかなと思います。

 

富井 :成井さんはやることとやらないことを、明確に決めていらっしゃるんですね。

例えば憧れの人がいた場合、どのように接点を持っているのですか。特に最近は人と会うハードルがすごく上がったように思います。

成井:基本的には、毎日会食を入れています。人と会うことが私の情報収集のやり方なので、時間があれば人と会っていますね。

でも憧れているのは南場さんくらいだし、会う前に人をジャッジしたくないなって思っています。

 

富井 :  普通に過ごしているとだんだん同じ価値観を持った人とコミュニティが形成されて、そこから発展していかないなと感じています。

同じような人が周りに集まってしまうというか。すごい人とお会いしても気後れしてしまい、難しいです。

成井:コミュニティは拡大していかないと、変化がなくなってしまいますよね。特に20代で沢山の人に会っておくと、人生が豊かになる気がします。

 

私が人と会うときは、自分の情報を相手に与えることを意識していますね。

例えばお会いした相手が憧れの社長さんでも、SNSマーケやZ世代のことは知らないかもしれない。

なら気後れせず、自分の持つ情報を惜しげなく提供すればいいと思います。情報の等価交換でWin‐Winの関係を築くことが重要だなと。

 

富井 :  たしかに、まったく違う境遇の方とお話しすると世界が広がりますよね。

成井:新しいコミュニティに飛び込むと、ポジティブな循環が回り出す実感があります。知らない業種の人と会う機会を作るって、とても大事ですよね。

モヤモヤを、抱えたままにしない

富井 :  勉強になるお話の数々、ありがとうございました。成井さんの、今後の目標をお聞かせください。

成井:まずはインターホールディングスを大きくして、IPO(上場)させること。

事業売却の経験はあってもIPOは無いので、30代のうちに経験してみたいと思っています。

プライベートでは、2024年くらいに子どもが生まれる予定です。

子どもがいる・いないでは仕事のやり方もまったく違うと思いますし、未知の領域なので、うまく育児と仕事が回るように努力したいですね。

富井 :  ありがとうございます。最後に、成井さんの夢をお聞かせください。

成井:そうですね……。私「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」みたいなのを作りたくて(笑)。

 

富井 : すごい!

成井:最後は会社という軸では無く、いろいろな挑戦をする人を支援する側に回りたいと思っています。

 

埋もれた特許を事業化することにも通ずるのですが、もし社会貢献をすることが人間の自己実現だとするならば、アイデアや強みを世の中に還元したい人は沢山いるはず。

なので、アイデアが世の中に広まっていく機会を提供したいと思っています。

出資や寄付をする「社会貢献のプラットフォーム」のような存在ですね。

そのためには会社を大きくしていき、IPOを通して「ヒト・モノ・カネ」を補完していきたいと思っています。

 

富井 :  いつかその夢が実現する日を、楽しみにしています。成井さん、ありがとうございました!

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